秋も深まるこの時期に庭の木々の剪定を始めます。よく伸びるつる薔薇や宿根草などは、花が終わった梅雨前にも少し切り戻して風通しを良くするのですが、伸びが一段落する今頃背の高い木々たちとともに再度刈り込みをします。
庭の隅に古い白梅の木があります。ここ何年か慌ただしい日々を送っていたせいもあって、枝が随分と乱れてきているのに気が付きながら剪定作業を先延ばしにしてきました。家にある梯子を最大限伸ばしても、背伸びをしなければ届かない高さのうえ、枝は太くて重いので慎重に切っていかないと危険です。切った枝葉の始末も含めていったい何日かかるかしら・・・。と数日ため息をつきながら白梅を眺めていましたが、覚悟を決めて取り掛かることにしました。
花や若葉を眺めている時は気が付かないのです。樹皮が削れて痛んでしまったところ、枝が混みすぎて太陽の光がほとんどあたらないところ、陰が濃くなりすぎて周りの草花にも影響が出ていたこと・・・。
「本当にごめんね、長いこと手をかけてあげられなくて。」そう言葉をかけてから思い切って少し深めに鋸で切っていきました。周りの植物を傷めないように慎重に下に落とします。何日もかけて積み上げられた枝葉は始めに思っていたよりも随分と多くありました。袋に詰めていきながら、「今までありがとう。来春は今年よりも花は減ってしまうけれど、あなたたちのおかげでより光を浴びて樹勢も強くなる。もっと生き生きとして命を永らえていけるのよ。」
私たち人間も似ているなあと思います。繰り返してしまう思考や行動パターン、思い込みや刷り込まれた価値観によって知らず知らず重くなっています。自分らしく生きてないかもと感じた時、自分をきちんと見つめてみようと意識した時にそれらに気が付くのです。そして「もういいよね、今までありがとう。」と言ってそっと手放していくことができると、より軽やかに本来の自分の人生を進みやすくなります。葛藤が減るほどに望む現実を引き寄せることが簡単になっていきます。あなたが幸せになると周りの人々も自然に幸せになるのですよ。すっきりとした梅の木の枝かげから溢れる、明るい木漏れ日の中に咲く草花が輝くのと同じように。
今年も残り少なくなってきました。手放す準備が出来ているもの、クリアにして新しい年を迎えませんか。
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