年末のビオラから始まり、今年に入ってはクリスマスローズ、続いて梅、プリムラ、早咲きの水仙、ムスカリやクロッカス、シラーやスノーフレーク、ハナニラやヒヤシンスなどの球根植物が次々に花を咲かせました。八重の桜もハナカイドウも昨日今日の強い風に最後の花びらを散らせ、あちこちで咲いていた小さな菫の花たちも勢いの増してきたつややかな葉に譲りました。今、庭を彩るのは枝垂れ咲く黄色や白の木香バラに遅咲きの水仙、濃いローズピンクのマダムイザックペレールという、とろけるような香りを放つバラ、真っ白いボールのようなオオデマリと小さなコデマリたちです。
早春から春本番の短い季節の中で、溢れるように咲いては散っていく花々と出会いと別れを繰り返しています。ほとんどの花たちが一年越しの再会でとても愛おしく、去る時が訪れるととても寂しくなります。
一緒にいられる時間はほんのひと時。だからその間は出来るだけ一緒に過ごします。わくわくして楽しんで、美しさを褒めて讃えて。誰も見ていないから軽くダンスして歌って。つる薔薇の時期は花の下で昼寝もします。
大切だと感じる誰かを自分が守らなくてはと強く思い、はたしてきちんと守りきれるのだろうか、いつか失ってしまうのではないかという恐れが離れず、今この時を心から楽しめない、そのようなかたが時々サロンにおみえになります。
出会いと別れはいつだってセット。素晴らしい出会い、ともに過ごした時間があるからこそ別れは辛いのです。時には早すぎると感じる別れもあります。人生の計画の中で組み込まれていることは変えることが出来ないこともあるのです。でも失うかもしれないという自分が作り出してしまった不安な未来の時間を生きるより、今この瞬間、瞬間を思いきり感謝しながら味わって積み重ねていけたら、同じ時間がどれほど愛と平安に満ちて豊かなものになるでしょう。
予期せぬ天候や虫たちの仕業であっけなく枯れてしまうこともある花たち。守りきることなんてできません。土壌をフカフカで健康な状態にして、ダメージを受けてもなんとか自分の力で回復できるようサポートすることくらいです。それでよし、かな。
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